エンジニアに興味はあるけど、未経験から転職して後悔はしたくないなぁ。
IT キャリアに興味はあるけれど、未経験から転職して後悔することになったら、と不安を感じる方も多いですよね。
この記事では、後悔が生まれる状況として想定される 6 つのシナリオを挙げ、それぞれの解決方法を解説します。
この記事を読むことで、キャリア選択に対する後悔を予防する術を身に着け、安心して IT キャリアに挑戦できるようになりますよ!
- IT 歴 20 年のエンジニア
- 大学、研究所、自社開発企業でプログラミング、サーバ、ネットワーク、クラウド、社内情シスなどの多種の業務を経験
- 安定志向な性格で安心や安全が大好き
- 未経験者向けに 安定志向の IT キャリア入門 という情報発信中
- エンジニアに興味がある人に安心して IT キャリアを歩んでほしい!
キャリア選択の後悔は「詰んだ」から生まれる
キャリアを選択する際に避けたい「後悔」ですが、その後悔とはどのような感情なのでしょう。そして、どのような状態で生まれるのでしょう。りもじいは次のように考えています。
- 後悔という感情
-
過去の自らの行動を誤っていたものだと解釈し、それを責める感情
- 後悔が生まれる状態
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自分がこれから採れる望ましい選択肢が存在しないと感じ、「詰んだ」と思ってしまった時
未経験なキャリアに挑もうとする以上、それなりに困難や想定外が生じることは覚悟している人がほとんどでしょう。トラブルが起こっても努力して対処しますよね。したがって、困難に見舞われることそれ自体がすぐに後悔を生むことはそうそうないはずです。
あなたが IT キャリアに挑み、そこで後悔という感情にまで至るとするならば、「もうダメだ。どうしようもない…。」と思った時ではないでしょうか。「詰んだ…。」と思えば、つい過去の自分の行動を思い返し、「なぜあんな選択をしてしまったんだ…!」と責めてしまうのも無理はありません。
基本方針:詰む状況とその対策を事前に想像する
「詰んだ」という想いが後悔を生むのだとすれば、一見どうしようもない状況であっても「まだ詰んでない」とさえ考えられれば、後悔を避けることもできるはずです。そのために今できることは事前にその状況と対策をイメージしておくことです。
追い詰められた状況になると人間の思考は単調になり、視野も狭くなります。これは生物としては自然な反応なのですが、キャリア選択という場面においてはマイナスに働くことが少なくありません。
したがって、そうなる前に「この状況ではこうすれば良い」を一度でも想像しておきましょう。一度でも具体的に想像できれば、仮に対策の詳細は忘れてしまっていても、「この状況になってもどうにかできるはずだ」という感覚は残ります。その感覚さえあればいろいろ調べようとするでしょうし、自然と道を拓くことができるようになります。
ただ、これだけのアドバイスですと、
理屈は分かるけど、詰む状況がどういったものか想像できないし、その対策だって分からないよ…。
と困ってしまいますよね。
そこで今回の記事では、りもじいの経験も踏まえて IT キャリアで詰んだと誤解しそうな 6 つのシナリオを用意してみました。
それぞれについての具体的な対策も解説していますので是非参考にして下さいね!
具体例:未経験からのエンジニア転職で詰んだと思いがちな 6 シナリオとその対応策
ここからは具体的に後悔に至る可能性がありそうな例とその回避策を挙げていきます。
① 体を壊す・精神的に病む
毎晩眠れない…。仕事のことを考えるだけで苦しくなる…。もうダメだ…。
体を壊してしまったり、精神的に病んで鬱状態になるなどしてしまうのが一番怖いですよね。IT エンジニアは仕事の時間が長かったり、強めのストレスに晒されるといった事も言われますので、心配になるのもよく分かります。
ただ、こういった場合でも次のような対策は可能です。
- 職場のサポート体制の活用
- 公的機関の活用
- 会社から逃げちゃう
職場のサポート体制の活用
体や心の調子がおかしいな、と思ったら次の方々にまずは相談してみましょう。
- 直属の上司
-
直属の上司はあなたの日常業務を最も理解しているため、まずは上司に相談してみましょう。上司であれば業務負担の調整や休暇の取得のサポートが可能です。
- 人事担当者
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万が一上司が取り合ってくれないようであれば、人事担当の方にも相談してみましょう。人事部門は、社員の健康管理や福利厚生に関する対応を行う役割があります。専門的な知識を持つ産業医を紹介してくれる場合もあります。
会社は 労働安全衛生法 により、職場における労働者の安全と健康を確保する義務を負っています。会社内で安全衛生管理体制を整えることも 労働安全衛生法 第三章 安全衛生管理体制 に明記されています。つまり、上司の方や人事の担当の方にとって、あなたの健康の確保は職務上の義務でもあるわけですね。
たいていの職場ではこれで何かしらのサポートを受けられるはずです。しかし、もしも取り合ってもらえなかったら? 万が一話を聞いてくれなかったら? という不安が残る方もいらっしゃいますよね。そのような場合の方法を次にお伝えしますね。
公的機関の活用
運悪く職場が適切な安全衛生管理体制を整えておらず、上司や人事担当者に相談してもサポートが得られない場合にも、次のような公的な相談窓口へ相談できます。カウンセラーと話すだけでも気持ちが落ち着きますし、次にすべきことをイメージする心の余裕が生まれます。
心身にトラブルが生じた際の相談窓口
- 働く人の「こころの耳電話相談」|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
-
厚生労働省が提供する心の健康に関する相談窓口です。相談の時間帯が限定的ですが、電話相談が可能です。メンタルヘルス不調、過剰労働による健康障害、ストレスチェック制度について相談が可能です。
- こころの健康相談統一ダイヤル|厚生労働省
-
こちらも厚生労働省が提供するもので、平日の夕方から夜間にかけて電話相談が可能です。ここで用意されている統一ダイヤルに電話すると、電話をかけた所在地の公的な相談機関に転送してもらえます。こころに関する相談の一環として、仕事や職場の悩みについても対応してくれます。
- 労働条件相談「ほっとライン」(Working Hotline)|厚生労働省
-
こちらも厚生労働省が提供するものですが、相談内容は労働条件を中心としています。違法な時間外労働・過重労働による健康障害といった労働基準関係法令に関する問題について、専門知識を持つ相談員が対応する電話窓口です。
会社から逃げちゃう
何かしらの事情で、万が一職場のサポート体制も受けられず、公的な相談窓口でも適切なアドバイスが受けられない場合は、最終手段として会社から逃げましょう。お金も大切ですが、健康や命を先に守りましょう。心身に異常をきたしているにも関わらず会社がそのサポートをしていない時点であなたに否はありませんので安心して逃げましょう。
民法第627条第1項の定めの通り労働者には退職の自由があるので、退職の意思表示から2週間が経過すれば退職できます。 会社とのやり取りすら困難な状況にあるならば、退職代行のサービスを利用するのも一手です。
コラム: 心身の不調は早めにご相談を!
体を壊したり、精神的に病んでしまっても、このように色々な手段があります。とはいえ、もちろんそうなる前に手を打てた方が良いですよね。
りもじいの経験上、「自分はまだまだ努力が足りない」と感じている人ほど実は努力しており、また我慢する傾向が強く、気がついたら心身の調子を崩していた、なんてことがあります。
自分に厳しいことが美徳とされる日本古来の文化に影響されているのかもしれませんね。周りの人に向けている優しさを自分自身にも向けて、「ちょっと変だな」と思ったら近くにいる人を頼って下さいね。
あなたが万が一、心身にトラブルが生じても、ここに挙げたような様々な対応が可能です。でもできれば、事前から安全なルートを確保したいですよね。IT キャリアを安全に歩む方法に興味があればこちらの記事も参考にしてみてくださいね。安心して学習継続、年収アップ、実力アップできる方法をまとめています。
② IT 技術がオワコンになった
IT エンジニアは未来ある職業だと聞いていたのに、学んできた知識や経験が廃れてキャリアとしての歩みが全て無駄になった…!
あなたが時間をかけて学んだ技術や築き上げてきた実績が無価値になったらと思うと恐ろしいですね。しかし、万が一そう感じる瞬間が来たとしても、次のようにできることはちゃんとあります。
- 実績の棚卸し
- スキルのリスト化
- 新技術の実績でスキルを再評価
実績の棚卸し
過去に何を成し遂げてきたか、前を向いて仕事に邁進していると普段は記憶に埋もれてしまうものです。
キャリアが無価値になった?!と思ったら、あなたがやってきた事を一度書き出してみましょう。習慣化されていることやルーチン作業など、その時点で当たり前になっていることも書き出します。
昔から思い出すのは大変なので、「これの前は何やってたっけ?」と現在から遡る形で書いていくのがオススメですね。
スキルのリスト化
実績を書き出したら、その成果を上げるために発揮したスキルをリスト化します。以下のものは一例に過ぎませんが、リストを作る際には参考にしてもらえれば幸いです。
IT エンジニアが身につけていくスキルや知識の例
- プログラミング
- データベース設計・管理
- ネットワーク設計・管理
- サーバ・OS の構築・管理
- セキュリティ対応
- クラウド技術活用
- テスト・品質管理
- UI/UXデザイン
- データ分析
- AI・機械学習
- プロジェクト管理
- 顧客サポート
- タイムマネジメント
- コミュニケーション
- チームビルディング
- メンバーマネジメント
- 業界知識
- 社内の人たちとの信頼関係
- 社外の人たちとの人脈
- などなど…
あなたがまだ IT 業務を未経験の時点ではピンとこないかもしれませんね。しかし、「これまでの学びが無駄になった!」と後悔するぐらいの年月を IT エンジニアとして過ごしているとすれば、その時の自分が思っている以上に様々な力を兼ね備えていることに気づくはずです。
新技術の実績でスキルを再評価
あなたが「今までの経験が無駄になった!」と感じる状況は、新技術の登場によってビジネストレンドに大きな変化が生じる場合でしょう。それら新技術について「未来はこう変わるかもしれない」といった可能性の話ではなく、既に起こっている実績に基づいてあなたのスキルを再評価してみましょう。
あなたが「詰んだ!」と思うであろう新技術は、あなたがその時に獲得しているスキルの価値の一部を下げることにはなるでしょう。しかし、多くのスキルの価値は損なわれません。あなたはその総合的な魅力によって周りの人から頼られており、未来の新技術 1 つであなたの価値が吹き飛ぶことはありません。
技術の動向やビジネストレンドに敏感なことはビジネスパーソンとしては強い武器になります。その際にふと、「自分のスキルってもうオワコンなんじゃ?」と不安になることもあるかもしれませんが、積み上げた実績はゼロにはなりません。むしろ、これから何に取り組むべきかを知る良い機会になるでしょう。
コラム: 新技術を実績で評価する理由
新しい技術が一気に注目を浴びると、その期待感からその技術は過大に評価され、「〇〇を活かせない人に未来はない」などの不安を煽る言動がメディアにはよく出てきます。2024 年時点だと AI がまさにそれですね。
優れた技術であり有用ではあっても、特定の新技術を導入しないだけで既存のビジネスの全てが成り立たなくなることはありません。技術は何かしらの問題の解決手段でしかなく、必ず代替の解決手段も存在するためです。
また新技術が出たての時は業界を席巻するように見えることも、少し経つと「それほどでもなかったね」といった状態に落ち着くこともよくあります。ブログなどのウェブメディアにおける AI 利用でも次のようなことが生じました。わずか数ヶ月程度の期間でこのようなことが起きちゃうんですね。
- AI による記事の大量生産によって検索エンジンで高評価を得る手法が流行る
- 読者の検索意図を満たさない似たような記事が検索上位に上がりやすくなる
- Google がこれを良しとせず検索エンジンのアルゴリズムを改修
- AI で大量の記事をアップしていたサイトの評価が軒並み低下
- AI による記事の大量生産は望ましくない手法と認知が改まる
新技術のビジネスへの応用力は短期間では測れません。未来への想像をふくらませることは大切ですが、あなたの価値を測るためのスキル評価を行う際は、過度に膨れ上がっている期待とではなく、実績と比較して下さいね。
IT について詳しくなると、かえってその社会的意義や価値が分からなくなってしまうことがあります。こちらに未経験の方向けの IT の基本をまとめた記事がありますので、自分の実績やスキルに不安を持ったら初心に返って見直してみるのもオススメです!
③ クビになった
職場を解雇されちゃったよ…。これからどうしたら…。
急に会社から予期せず解雇通告を受けたら頭が真っ白になりそうですね。何をしたら良いか分からなくなると、後悔の念が沸き上がってくるかもしれません。
しかし意外かもしれませんが、クビにされた後に取るべき行動は迷う必要がなく、次のステップで新しいキャリアへの準備が進んでいきます。
- 解雇理由について会社から書面を取得
- 失業手当の受給手続き
- 公的機関や転職エージェントを利用した再就職準備
解雇理由について会社から書面を取得
解雇を通告された際は混乱し、ショックでその理由を十分に理解できていない可能性もあります。気持ちが落ち着いたら、解雇された理由を上司や人事担当に対して改めて確認しましょう。あなたのその後に関わるので、解雇通知書または解雇理由証明書のいずれかを受け取っておきましょう。
会社が社員を解雇するには合理的な理由が必要です (労働契約法第16条 より)。適切な対応をとってもらえないようなら、あなた自身のメモとして会社とのやりとりの対応を記録しておきましょう。
こういう時は自分の記憶もあいまいになりがちなので、メモ大切です。
失業手当の受給手続き
次は当面の生活資金の確保のため、失業手当を受給するための準備に入ります。
基本的な流れは次の通りです。会社に作ってもらう書類の提出も必要なため、会社とのやり取りが頻繁なタイミングで進められるとスムーズですね。
ハローワークでの手続きには会社から送付される雇用保険被保険者離職票や、身元確認書類等が必要となるのでそれらを用意します。詳しいことはウェブ上に様々な情報があるので、いざとなったら調べてみましょう。
失業手当を受けるために講習会等への参加を促される場合は、それらを受講します。詳しいことはハローワークで教えてもらえます。
ここまで手続きが完了すれば、一定期間を経て失業手当の支給が開始されます。
公的機関や転職エージェントを利用した再就職準備
当面の生活を維持する準備が整ったら、公的機関や転職エージェントに登録して、再就職の準備を進めます。
ハローワークで失業手当の受給手続きを進めれば、たいていは流れでハローワークが提供する求人情報を得ることができます。こちらは比較的地域に根付いた求人が多いようです。
転職エージェントも積極的に利用しましょう。登録は無料な上、ウェブ上で完結します。登録する事で担当者がヒアリングをセットしてくれる場合も多いようで、その場であなたの身の上を伝えれば、相談に乗ってもらえるでしょう。
日本は今後長期的に労働人口が減っていきますし、IT 人材も今後不足するデータの方が優勢です。人材の流動性を高める機運もあり、転職ビジネスもさらに活発になっていくでしょう。このような、少し先の未来でも続くであろう状況があなたの再就職を後押ししてくれます。
ひとまずここまで進めると、今後取り組む事もハッキリしているでしょう。失業手当でしばらくは収入も得られます。
気持ちが整ってきたら、履歴書をアップデートしたり、場合によっては就業条件を見直すなど、自分にとって望ましい就職に向けて活動してゆけると良いですね。解雇されたとしても、それまでの会社であなたが積み重ねてきたことはゼロにもマイナスにもなりません。あなたの実績としてしっかりアピールできますよ。
かく言うりもじい自身も、転職後 4ヶ月で解雇された経験があります。わたしの場合は備えが甘かったので、とりあえず以前にお世話になった転職エージェントに頼りました。失業手当は知識不足で活用しそびれ、もったいないことをしたなと思っています。
結果的に途切れる事なく次の就職先が見つかったのは幸いでしたが、焦ってしまったのも事実です。万が一解雇されてしまったら、安心して求職活動に取り組めるようこれらの制度を活用してみて下さいね。
なお、次の職場への面接には不安を感じそう…、という方もご安心ください。IT 面接成功のための 3 つのポイントと実践対策を次の記事で詳しく解説しています。経験者にも役立つ内容をまとめていますので、困ったら参考にしてくださいね!
④ 人間関係に耐えられない
職場の人間関係が辛くてもう無理…!
IT エンジニアはコミュニケーションが苦手?という通説もあり、IT キャリアで人間関係で詰んだらどうしよう、と悩む方もいるかもしれません。一緒に仕事する仲間とギスギスした関係のままでどうにもならない、というのはいかにも辛いですよね。しかしそう思ったとしても決して詰んでいるわけではなく、次のような様々な手段で切り抜けることができます。
- 社員の配置に影響を持つ人への相談
- 社外へ飛び出す
社員の配置に影響を持つ人への相談
職場のあの人の顔を思い浮かべると気持ちが沈んで仕事が手につかない…、と思ったら次の方々にまずは相談してみましょう。
- 直属の上司
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直属の上司はあなたの人間関係改善を最もサポートしやすい立場にいます。あなたが苦手とする人がチーム内にいるのであれば、その相手へ上司からコミュニケーションしてもらったり、いざとなれば配置の転換も可能です。またその相手が上司の管轄外の人であったとしても、あなたの業務の種類を変更してその相手との接触機会を減らしたり、場合によってはその相手の上司と掛け合ってくれるかもしれません。
- 上司の上司
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残念ながら、あなたの上司自身が最大のストレス源である場合は、上司へ相談することは難しいですよね。また、上司に相談しても適切にサポートしてくれない場合もあります。その場合、可能であれば上司のさらに上司へ相談するのが筋になります。上司の上司は、あなたの上司のマネジメントの問題を解決する役割を負っているためです。
- 人事担当者
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上で挙げた 2 人へは相談できない状況だったり、または相談してもサポートが得られない場合は、人事担当の方にも相談してみましょう。人事部門は社員のメンタルヘルスの対応を行う役割もあります。メンタルヘルスを専門とするカウンセラーや産業医を紹介するなど、上司たちとは異なるアプローチでサポートしてくれる可能性が高いです。
多くの企業であれば、このような方々への相談で、業務の変更やチームや部署の転換など、環境を改善するためのサポートが得られるはずです。
社外へ飛び出す
周りに相談したけど関係改善の糸口が見えない、部署を移動したけどそこでも人間関係に悩まされる、ということであれば最終手段として転職をするというアプローチも可能です。
経験してきた職場の数が少ないと、「ここでやっていけないなら、きっとどこに行っても無理だ…!」と思い込んでしまうかもしれませんがそんな事はありません。組織ごとに大切にされていることは違うので、それがあなたに合わないということは十分ありえます。
会社は他責な人より自責な人を求める傾向があるため、その空気を読んで人間関係の問題も自分に責があるとして抱え込んでしまう人も少なくないかと思います。
しかし組織内で人間関係がこじれると、その解決には経験や技能、そして権限が不可欠になります。自分で抱え込んで詰まないよう、周りを巻き込んで積極的に環境を変えていきましょう。
コラム: 職場の人間関係はガマンしないで!
職場において人間関係の良好さを求めることは、あまり会社からはよく思われないのではないか、と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。りもじい自身も、仕事の成果 >> 職場の人間関係、という考えが企業経営の正義なのだろう、過去そう考えてきました。
しかし、最近の研究では職場の人間関係が生産性や社員の健康に強い影響を与えることが知られるようになってきました。経営手法としても 人的資本経営 の重要性が謳われるようになり、その中では社内コミュニケーションの活性化や、お互いを尊重して助け合う文化の形成なども重要視されています。職場の人間関係は仕事の成果と無関係なものではなく、その良し悪しが企業の成長に深く関わると考えられるようになってきたわけですね。
職場の人間関係尊重の度合いは企業によって濃淡あるのが現状だと思いますが、社員のポテンシャルを活かすことは今後多くの企業に求められます。一歩外に出れば違う景色が見える事も多いので、将来あなたが人間関係で苦しんだ際には一人でガマンしないで下さいね。
⑤ 成長を見込めず自信喪失
全く成長できなくて認めてもらえない…。このままじゃ他の職場に行ってもどうせ通用しないし、もうどうしようもないよ…。
IT エンジニアとしての成長ができずまともな仕事が任せてもらえない状態が続いたらと想像すると怖いですね。自信を失って転職もままならず、学習は手につかず、日々ミスを叱責されることに怯えながら仕事を続けるという「詰み」を恐れるのは、高度な技術を学ぶ必要がある IT キャリアならではかもしれませんね。
しかし、少し視界を広げればちゃんと道はあります。万が一そうなってしまったら次のアプローチでその状況を脱しましょう。
- 今のアタリマエをリスト化
- 未経験だった時と今とをフラットに比較
- 初心に立ち返ってシンプルに考えてみる
今のアタリマエをリスト化
自信の喪失は、自分に足りないことや欠けていることに意識を向けることで生じます。何かに懸命に取り組んでいるにも関わらず、それを成し遂げられない時、失敗の二文字が視界を覆って自信が奪い去られてしまうのは誰にでもありうる話です。
仮にそうなってしまったら、その時にあなたが持っているものを一度再確認しましょう。それは IT キャリアを始める前から身につけているものも含んで OK です。とっかかりとして、 IT 技術がオワコンになった で挙げたスキルリストを参考にするのも良いでしょう。
未経験だった時と今とをフラットに比較
現時点ではなかなか想像しづらいかもしれませんが、IT 未経験の時点とその時のあなたとでは、仮に短い期間であったとしても様々な経験を得ているはずです。過去と比較することで自分が持っているものに意識が向き、自分を見直すキッカケになります。
わたしもたった 4 ヶ月で解雇された時には、実績ゼロじゃんと焦りました。しかし冷静になって履歴書をアップデートしてみると思いのほか書けることがあり、次の就職活動でもプラスに働きました。
初心に立ち返ってシンプルに考えてみる
ここまでの振り返りで様々な経験を思い出し、自信を取り戻していけば次に挙げるようないくつもの選択が可能です。その時に一番あなたの気持ちが動くもので次の一歩を踏み出してみましょう。
- 業務を変える
-
あなたが意欲を持って取り組んでいるにも関わらず成し遂げられない仕事は、まだその時のあなたでは難しいレベルであるか、もしくはあなたに合わない仕事です。別の業務に取り組んで新しい可能性を広げていきましょう。
- 部署を変える
-
もしかするとその部署のレベルや特性とあなたが合っていない可能性もあります。取り組めそうと感じる代わりの業務がその部署にないのなら、いっそ他の部署に異動を願い出ましょう。あなたのアタリマエが意外と他の部署では希少価値を発揮する可能性もありますからね。
- 会社を変える
-
業務の変更も配置転換も難しいようなら転職で会社を変えてみましょう。転職エージェントに登録してサポートを受けたり、求職情報を調べるだけでもあなたのその時点での市場価値を知る良い機会になります。IT 人材は当面不足の見込みなので、あなたが思うよりあなたを高く買ってくれる会社はあるはずですよ。
- 職種を変える
-
少し別の角度のアプローチとして、職種を変えることも可能です。 IT エンジニア以外の職種であっても、 IT リテラシーが高いだけでも価値になります。 IT システムに無縁な職種はどんどん少なくなっており、業務において何かしら IT には関わる事がほとんどです。 IT リテラシーが高ければ IT ツールを効率よく利用できる分、業務効率も高まります。新しい職種であっても IT キャリアとしての経験は活きるわけですね。
初心に立ち返った結果、自分のやり方をちょっと変えるだけでも前に進む気持ちになる、ということもあるかもしれません。必ずしも部署や会社を変える必要はなく、ポジティブに取り組める自信を取り戻すことが大切です。いざとなれば多くの選択肢があるぞ、という気持ちの余裕を持っておけると良いですね。
また、あなたが数年間でも IT エンジニアとして経験を詰んでいれば、実生活やその先のキャリアのプラスに働く多くの力を身に着けています。こちらの記事では、りもじいが『IT キャリアを歩んで良かった』と思ったことをまとめています。未来のあなたにも当てはまるものがきっとあるので、気になったら参考にしてみて下さいね!
⑥ 給料が上がる見込みがない
給料安すぎ!年収アップを期待してたけど、上がる見込みもない…!
IT エンジニアになって高い年収が得られることを期待していたのに、給料は安いし、上がる見込みもない、期待外れだった…、というのも後悔の要因の一つに挙げられそうです。
転職という手段は有効な一手ですが、まずは今いる場所でちゃんと年収アップするための、次のアプローチを試してみることをオススメします。
- 会社の給与ルールを確認
- 年収アップしている人の行動を分析
- 力を発揮する方向を調整
会社の給与ルールを確認
会社では事業で得られた儲けをどのように社員に対して分配するか、何かしらのルールがあります (ただし小さい会社だと明文化はされずに不文律となっているところもあるかもしれません)。
- 職務範囲や責任で給与が決まる
-
メンバー、リーダー、マネージャーなどの立場に応じて給与水準を設定する方式
- 成果で給与が決まる
-
達成した成果の内容で給与が決まる方式
この他にも、年功序列や専門技能、周囲からの評価など様々な指標を組み合わせて会社ごとに独自のルールを設定しています。
年収が上がらない場合、あなたの努力の方向がその会社の給与ルールにそぐわない可能性があります。年収アップする感じがしないよ?という場合は、まずそのルールを一度確認してみましょう。
年収アップしている人の行動を分析
次に、同じ職種や同じ部署で年収アップしている人の行動を分析し、どのような行動が評価されているか、自分に真似できることが何かを検討してみましょう。
IT 業務は必要とされるスキルが多岐にわたる上、チームで仕事をする事も多く、その評価方法の明文化が簡単ではありません。仮に評価方法が明文化されていても、抽象化されていて分かりにくい事が多いかと思います。
せっかく周りに評価されている人がいるのであれば、それを「あの人はすごいから」で片付けてしまうのはもったいないです。その人のすごさは何で構成されているのかを考えてみましょう。きっと次のような様々な力を兼ね備えているはずです。
- プログラムの知識量が膨大
- コードを書くスピードが爆速
- システムの設計が緻密
- セキュリティ対策が堅牢
- サービスへ求める品質が高水準
- 人へのものの伝え方が論理的
- 相手の気持ちにすごく共感できる
- とにかくレスが早い
- 新しい技術に対して貪欲
なお、万が一「周りの誰も年収アップしてけど?」ということであれば、そもそもあなたが勤める会社のビジネスに根本的な問題を抱えているかもしれません。その場合は社外へ出ることも検討しましょう。
力を発揮する方向を調整
「年収が上がらない!」と考えている時点で、あなたは自分が挙げた成果に釣り合っていないと感じているはずです。裏を返せば、既に IT の知識を得て一定の経験も積んでいるわけですね。年収アップに至らないのはその力の発揮する方向が組織が求める方向と異なっている可能性が高いです。
デキる人の行動を分析することで、あなた自身も活動に変化をつけるヒントが得られます。どのような行動で高評価を得られるか試すことができるようになれば、後悔という感情からは遠のく事ができるでしょう。
IT キャリアの年収アップ方法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。給料アップの方法をさらに知りたい方は参考にして下さいね!
後悔への懸念を活かして安心して IT キャリアに挑戦しよう!
今回の記事では、後悔は詰んだという感覚から生まれるもの、という前提で、詰んだと思っても実はその先がちゃんとあるよ、ということを 6 つのシナリオを例に挙げてお伝えさせて頂きました。
IT キャリアにまつわる後悔への懸念は、安心感へと変わったでしょうか。不確定な未来のことなので不安がゼロになることはないかと思いますが、前に歩を進めやすくなったのであれば嬉しいです。
最後に、後悔への懸念という想像力の価値についてお伝えします。
世の中には失敗を恐れずどんどん行動できる方もいます。そういう人を見ると、後悔について先回りして心配することを、杞憂であるとして無視しようと努める方もいらっしゃるかもしれません。
そのやり方も一つの方法ですが、りもじいの考えは違っています。そのような想像力が働いてしまうあなたは、むしろその未来予測的な力を活かして、しっかり準備してから IT キャリアに取り組むことをオススメします。失敗を恐れず進める人とは異なった、安全で安心なルートがきっとあなたには向いています。
IT の世界も前にどんどん進む人だけで成り立っているわけではなく、事前にしっかり準備して臨む人も活躍しています。りもじいも後者寄りの人間ですしね。あなたの強みが生かせる場所は必ずあるので、 IT キャリアに是非挑戦してみてくださいね!
IT キャリアへの不安がまだ大きいという方は、こちらの記事もご覧ください。不安の原因を 7 つに分類し、それぞれの解決策をまとめています。
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